フー・キルド・ナンシー

アラン・G・パーカー、2009。シド・アンド・ナンシーのナンシーはシドが殺したことになっているけど実際かなり疑わしい部分がある。この映画はそれを科学的に解明したりするものではなく、当時の人が当時を語ることにより、ナンシー殺害に限らず色んな場面の時間軸まで追っていくドキュメンタリー版シド・アンド・ナンシーといったところか。最後の方はうとうとしていて記憶が曖昧。僕はシドもナンシーも好きじゃない。でもシドとナンシーはパンクカルチャーの象徴的なもので、まあごくごく一部なんですけれどね。僕はアレックス・コックスの1986年の『シド・アンド・ナンシー』を5万回くらい見て育った。ヒップスターはアレックス・コックスでシド・ビシャスじゃない。ラストシーンは気に入らないけど好きな映画だった。『フー・キルド・ナンシー』の良いところはシドもナンシーも良く描いていないし悪くも描いていないこと。でもそれがまた興味をそそり、伝説を追ってしまうんだけどね。特にヘロインとの関係には重点を置いていた。ハートブレイカーズがNYからロンドンにヘロインを持ち込んでパンクカルチャーに蔓延させたとか、面白いお話も聞けた。パンクカルチャーは音楽的にはNYとロンドンは交流が少ないんだけど、シドの動きなんかを見ていると、NYとロンドンを行ったり来たりしていて面白い。ヘロインというのは生き方の問題になってくる。ヘロインとどう生きていくか。記憶が曖昧だけど、シドがジョニー・サンダースに、どうしたらあんな曲書けるんだと聞いたら、ヘロインをやれって言われたそうな。最近の音楽事情だとヘロインは西海岸ってイメージがあるけど、どうなんだろう。ドン・レッツはヘロインなんていらねえってガンジャ吸いながらDJやってるときに言ったらしいけどカッコいいね。