ブルーバレンタイン

デレク・シアンフランス、2010。素晴らしい作家主義的映画。カサヴェテスとの比較も多いようだが納得。通俗的な悲喜劇などこの映画には全く無く、ただ愛(家族)の始まり、愛(家族)の終わりを、本当にただ描いている。愛が始まる時(過去)と、愛が終わる時(現在)の2本の時間軸が交互に流れる構成になっていて、愛の始まりのみずみずしさ、演出も素晴らしく圧倒的にビビットに伝わる感情の露出。カメラも手持ちを中心に愛の中に走っていく二人を追いかけ、愛の終わりの方ではヒリヒリとした二人の距離を具体的に提示する。現在のシーンがあまりにも痛くって、過去のシーンのぬくもりに慣れた頃に現在のシーンに変わると本当に辛かった。オープニングとエンドロールはカッコいい。カメラは殆んどカッコよかった。ミシェル・ウィリアムズを丹念に捉えるその眼差しに僕の目は完全に一体化してしまった。ミシェル・ウィリアムズがますます好きになった映画。この監督はかなりマニアックなことしてるんだけど、ポップというか商業ベースに乗せられる作品を作れそうで、素晴らしいバランス感覚を持っていると思う。これからも期待してみる。あと、音楽がいい。多分Grizzly Bearとか使っている。音楽がいい上に音楽の使い所がいい。全くかなわないと思った。久しぶりに傑作に出会った。