『赤の魂』スペインサッカー栄光への100年

サンティアゴ・サンノウ、2009。スペインのサッカー連盟100周年を記念して作られた公認ドキュメンタリー。ユーロ2008で優勝した後に作られ、南アW杯で優勝する前に作られたもの。この映画は完全にスペインサッカー連盟及びスペイン代表のプロパガンダ映画。スペインサッカーの歴史の多くを占めるフランコ軍政の時代にスペイン代表はプロパガンダに使われた。バスクやカタルーニャ人はフランコによる迫害を受けていて、代表には招集されなかったり招集を拒否した選手も多い。そもそもスペインという国自体が国民としては幻想であることはよく知られている。そういったスペイン代表の歴史に影響を及ぼした出来事、フランコと民族。これに一切触れていないんだからこれはドキュメンタリーとは言えないね。完全なプロパガンダ。おとぎ話。そしてエイサギーレの旅の下りは映像も音楽も酷いものだった。そして柱となるインタビュー発言の羅列は何も新しいことをやっていなくて、発言内容も驚くべき発言は皆無。本当に時間の無駄。僕は近代サッカーのエポックメイキングな出来事は、1992年のバルセロナオリンピックのゴールデンエイジによる金メダル。アルフォンソ、キコ、グアルディオラ、ルイス・エンリケ、アベラルドなどを擁し若くて勝てるチームを作った。そして2000年ワールドユース。決勝は日本との対戦だったが、シャビは20歳にして勝者のメンタリティを完全に身につけていた。2008年にそういったメンタリティが結実しユーロを制覇。2年後には少しチーム力が落ちたけれどW杯でも勝った。このドキュメンタリーが面白くないのは、近代のスペインの強くなる過程を詳細に追わなかったこと。1950年の映像と2008年の映像を同列に扱っていて面白くなかったね。この映画を見てスペインはこうして強くなったんだと思ったら、それはプロパガンダのたまものだね。