トラフィック

スティーヴン・ソダーバーグ、2000。ベニチオ・デル・トロに惚れるならこの映画だと思う。他あまり知らないけれど。この映画のメキシコの色使いとベニチオ・デル・トロは凄まじく相性が良く、この映画はつまらないタイトルを補完する形で『ベニチオ・デル・トロのトラフィック』というタイトルでも良かったんじゃないかと思うね。この映画はもう完全な男性上位社会の原作、シナリオで、日本で言えば60年代くらいまで、アメリカで言えば30年代くらいまでの封建的な映画の価値観を地で行くスタイル。だからこそ描けるキャサリン・ゼタ・ジョーンズというキャラクター。男社会における女の存在としてここまで突破力のある人間というのはそうたやすく描けるものでは無いよなあ。この映画は、多分ここはソダーバーグの力の及ぶところなんだろうけれど、人物の感情に深追いしない。もの凄く思惑と感情が渦巻くドロドロとした世界の話しなのに、もの凄くカラッとした作品に仕上がっている。日本映画だとこういうカラッとした感じが出せなくて、仁義なき戦いシリーズでも、僕はこの映画に匹敵するカラッと感が出ているのは『仁義なき戦い 代理戦争』くらいじゃないかなと思うね。その点アメリカは西部劇やマフィア映画はカラッとしていて、とてもエンタテインメントなんだよね。日本のマフィアものなんて、演歌のステージみたいなんだよ。そういうところ、僕はアメリカ映画は凄いなあと尊敬しているんだよね。でもこの映画は2時間半くらいあって、ハリウッドの上映時間の歴史の一つの汚点として反省してもらいたいね。