シラノ・ド・ベルジュラック

ジャン=ポール・ラプノー、1990。エドモン・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を映画化。この戯曲は世界中で上演されていて、映画化も何度かされている。この映画はエドモン・ロスタンの原作が凄すぎる。凄く簡単に劇的な効果を上げる戯曲という感じで本当にエンタテインメント性が高い。映画も素晴らしく、最初のシーンはアニメーションのように人が動き回り、奥行きを生かしていた。天候も肝心で、ラストの夜前の撮影や言葉での告白シーンの夜の撮影は本当に名作の匂いがした。素晴らしいと思ったのはたとえ戦場に行こうともコメディの要素を持ち込んだり、恋愛の要素を持ち込むところ。所々にいわゆるペーソスの効いた笑いが詰め込まれているし、この映画は常に愛の映画である。主人公のシラノ・ド・ベルジュラックを演じるジェラール・ドパルデューは見事な立ち回り。この映画は詩的な表現や哲学的な表現が沢山出てくる。ということはそういう字幕を読まなければいけない。ここが相当大変だった。しかしこの映画の内容はそれほど画期的な恋愛映画とも思えないんだけど凄く説得力があり、図太い骨格がある。だから戯曲として名が知られているような作品なのだろう。戯曲と映画が見事にクロスした映画。