水の中のナイフ

ロマン・ポランスキー、1962。ポランスキーが祖国ポーランドに残した唯一の作品。この映画はワイダの一連の政治性やメッセージ性を強く打ち出すスタイルとは違い、私的な作家性を帯びたスタイル。僕はモノクロスタンダードは映画の完璧なスタイルだと思っているんだけど、この映画はモノクロスタンダードを凄く上手に生かしていて、画面にどうやって人物を入れ込むかを見ているだけでも映画は終わってしまう。それくらい撮影は素晴らしい。内容は特に面白いとは思わなかった。でも台詞が凄く良くて、多分イエジー・スコリモフスキが台詞を担当していたような気がする。音楽はジャズな感じでセンスはあまり良くないけれど、映画に情感を与えるような音楽では無く凄く乾いた感じのイメージを与える音楽で、そういう意味では素晴らしい演出。まあ若き作家のクールな作品という感想。