ザ・ファイター

デヴィッド・O・ラッセル、2010。ボクシングファンにはアルツロ・ガッティとの3度に渡るノンタイトル10回戦でおなじみのミッキー・ウォードの実話に基づく物語。アカデミー賞で助演男優賞と女優賞をダブルで獲った2人、クリスチャン・ベイルとメリッサ・レオの強烈なキャラクターが凄い。特にメリッサ・レオは時代性と地域性と民族性とその他諸々ビックリした。クリスチャン・ベイルは演技にうるさそうな顔をしていて、あまり好きではない。でもこの映画の主人公は現代サッカーにおけるゼロトップシステムみたいなもので、マーク・ウォールバーグをトップに据えたゼロトップ映画。だからこそクリスチャン・ベイルはこの映画で生き生きとしている。特に起承転結で言えば「起」の部分。エイミー・アダムスとマーク・ウォールバーグがプライベートで会う手前まで。この映画はこの部分がとてもテンポが良くぞくぞくするような導入をしてくれるんだけど、その後フツーのテンポになってガッカリするんだけど、この部分はクリスチャン・ベイルが主役で、マイケル・バッファーのリングアナウンスは聞こえるわ、レナード出てくるわ、テレビ局付いてるわでとても騒々しくて華々しい。僕はどうも「起」の部分と他とのバランスの悪さが際立っていて残念だったなあ。その後の「承転結」にも素晴らしいシーンは数あれど、特筆すべきは特になし。エイミー・アダムスのキャラクターが良かったのと全編を通じてメリッサ・レオが女王蜂のように存在していたことくらいかなあ。最後にミッキー・ウォードが世界チャンピオンになるんだけど、これ団体がWBU。世界的に見てもいわゆるマイナー団体。ボクシング・ファンとしてはミッキー・ウォードは世界チャンピオンではないと思う。アルツロ・ガッティと、どつきあい3連戦したボクサーなんだよなあ。

 

HBO Boxing: Fights of the Decade – Ward vs. Gatti I (HBO)