ブルー・ジーンズ

ジャック・ロジエ、1958。ヌーベルバーグ初期の傑作短編。ナンパする男と女の、ストーリー自体はどうでもいいようなお話。男女の初々しさもさることながら、この映画には映画そのものの初々しさが詰まっていた。悪役とか嫌な女とかそういう陰が全くなくて、ひたすら軽快な映画。マンボみたいな音楽もとても映画に合っていた。あとはやっぱり当時のヌーベルバーグ系特有の、純真だけど天然じゃない感のようなものにはドキッとした。昨日見た『書道ガールズ』みたいに、エキストラを含めた登場人物が、映画のためだけに存在している感じ、つまり現実世界から見れば「死人」であるわけなんだけど、『ブルー・ジーンズ』にはその死人がいなくて、現実世界にカメラがあるというこのワクワクリアル感を満喫した。映画を撮る初期衝動を思い出した。100点。