ハッピーフライト

矢口史靖、2008。亀山モデルのわりには映画の体裁を持っていて、さすが矢口という印象。ただそもそも矢口映画に期待はしていなくて、この映画も微妙だった。前半のコメディ主体部と、後半の飛行機パニック部が分断されているというか、上手くつなげられていない。これは脚本に問題があるんだけど、ANA公認フィルムだからとても窮屈な設定で、ANAが脚本の足かせになってしまっている。でもその足かせがあったからこそ出来ている表現もあって、それは不自由という概念あっての自由というようなものだと思った。この映画の登場人物はデフォルメされまくっている人が多くて本当にうんざりした。特に乗客とかANA以外の人。つまりANAスタッフのキャラクターを常識人にしなきゃいけないから、その分ANA以外が非常識人になっていてバランスが悪い。綾瀬はるかが主役だと思って見たら、はっきり言って脇役だった。主役は田辺誠一。女優陣はそれほど人物造形がなされていないから、だれがカワイイかとか、そういうレベルの問題になってしまうけど肘井美佳が良かった。103分という程よい上映時間に誘われて見たんだけど、120分映画くらい長く感じた。もっと削れるよなあと思っても、そこは市川崑の『東京オリンピック』と同様に、多分削れないんだな諸事情により。90点。