ヘルタースケルター

蜷川実花、2012。沢尻エリカが良かっただけに、本当にもったいない映画だなあと思った。この映画をまっとうな映画監督(人種性別問わず)が撮れば歴史に残る傑作になり得ていたと思う。退廃的エロス映画史の文脈。沢尻エリカの体は意外にムチムチしていて、とても良いモノだった。映画は120分はヒドく退屈したから、90分くらいなら良かった。沢尻エリカがトイレで蝶の幻覚を見て現場でぶっ倒れるところ。あの辺りの、身も心も崩れゆく沢尻エリカは素晴らしかった。あれで十分だと思った。その後、豪雨の中号泣する沢尻なんてシーンは見たくはなかったなあ。この映画は沢尻以外の人物造形がまるで出来ていないし、映画ファンの恨みを買いそうなショットやシーンメイクを連発しているところを考えると、コラボ写真集もしくは沢尻エリカのDVDならカルト的な作品になったかもしれない。OVでもアリだと思う。でも何故それをやらないかというと、この映画のテーマである「美」に執着する人が多いように、「映画」に執着する人が多いからなんだと思う。そう考えると映画というメディアはもっと華やかじゃなきゃいけないのに、日本映画ってとても地味でしみったれている。この映画は派手だししみったれてはいないんだけど、面白くなきゃ意味がない。映画がこのような、いわゆる壊れた文法を持っている場合、文法を知っていて壊すのか、あるいは文法なんて知らねえという文法をとるのか、そのどちらかしか方法はない。キューブリックとかに撮らせたかったなあ。95点。