東京マダムと大阪夫人

川島雄三、1953。この映画、とってもスピード感のある映画なんだけど、多分実際にも相当なスピートで撮っていると思う。もう最初っから映画を早く終わらせたいかのようなシーン割、台詞の早口。このドタバタというかガチャガチャした感じは、川島が通俗的な喜劇を撮るときに全く変わらないスタンス。そのスピード感に坂本武だけがついていけていない感じが面白かった。そしてこのスピードに唯一ついていかなくていいのが芦川いづみ。純愛を一手に引き受けてハッピーエンド。これが当時SKDにいた芦川の映画初出演だと思う。この頃の川島作品には、まだ『須崎パラダイス』などで見られる作劇・映像美学は見られない。まあ無理なくだれでも楽しめる作品。人事課長多々良純は相当面白かった。95点。