ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

スティーブン・ダルドリー、2012。この映画の最大にして唯一にして絶望的な欠点は、映像の記憶と映像でない記憶とのバランスの悪さ。思い出に残るシーンやディテールがまるで無い。爺さんが出てきた辺りはさすがに年の功で画になっちゃうからまあ見られるけれど、それ以外は何を見ればいいのか分からなかった。言葉の映画だから見せ方をちゃんとしなきゃダメだよなあ。さらに脚本上、少年がいろんな人に出会って経験してちょっと大人になってゆく様を見せちゃだめな映画なんだこれが。タイトルがちょっと良かったから見てみたけどクソ映画の分類に入るかなという印象。気になったのはサンドラ・ブロックの扱い。これは風刺ではないと思うんだけど、風刺にしか見えなかった。WTCをあれだけ毛嫌いしていたニューヨーカーが、今では対局の立場に立っているという構図。それは少年と母親サンドラ・ブロックとの関係とリンクする。と考えるのも虚しいほど、久しぶりにつまらない映画を見たなあ。この映画の音楽の使い方最悪。85点。