ナチュラル・セレクション~ほんとうの私に出会う旅

ロビー・ピカリング、2011。2011年のSXSW映画祭で6部門受賞した作品。宗教まみれの環境に住む中年女と、アンチクライストな自堕落男のロードムービー。この映画はディテールが生きていないし分かりづらい。例えば最初に夫婦がレストランで食事するシーンは横並びで座るんだけど終盤のシーンでは向い合って座る。こういう細かな演出が多々見られるんだけど、80分前の何でもないシーンなんて覚えていないよなあと思った。少なくとも僕はそんなことには普段気がつかない。そういうシーンメイクは当然シナリオに難があるわけで、ラストシーンへとつながる部屋の置物は2度も登場して説明過多なのに意味が分わからなかったし、自堕落男が人違いだったというくだりも見せ場なのにちょっと分かりにくかった。現場の激しい息遣いがヴィヴィッドに伝わる映画だけに余計脚本の説明不足や説明過多が気になった。しかし脚本の拙さを補って余りある野心やスマートさを演出から感じることはなかった。あとはロードムービーならもう少し車やバイクでの移動シーンに素敵なカットがあっても良かった。90点。