ザ・フューチャー

ミランダ・ジュライ、2011。ミランダ・ジュライのマルチな活動の詳細は知らなけれど、あの大好きだった『君とボクの虹色の世界』から6年ぶり。『いちばんここに似合う人』では作家としても名を馳せている。となれば必然的にハードルが上がる。本の方は置いておくにしても、この作品は、映画デビュー作のハードルを超えられなかったと思う。映画熱が前作ほど感じられなかった。個人作家だから、6年ぶりの映画ともなれば、風合も変わって当たり前だとは思うけれど、この作品では前作より文学/アート寄りな部分が多くて、映画がよりツールに近づいてしまっている印象。僕に記憶が確かなら、デビュー作ではそれが凄く程良かった。映画のプリミティブな感動をもっと追求していたと思う。でもこの作品では表現することが前に出過ぎていて、かなり振り回される。その振り回されるのも気持ち良ければいいんだけど、作品全編に漂うダークというかシュールなムードに爽快感はなかった。ハミッシュ・リンクレイターが時間を止めた辺りから、映画が凄くだれてしまったのは特に残念だった。このテイストだったら、ミランダ・ジュライは90分でなく5分とか3分とか10分くらいの方が面白い。95点。