美しいひと

クリストフ・オノレ、2008。17世紀の恋愛小説「クレーヴの奥方」を現代風に翻案して描いたらしいんだけど、この映画の素晴らしさはそれを知らなくても全く問題がないところ。多少雑かなとは思ったけれど、その脚本の様式美は本当に美しかったし、男女の関係は当然ながら普遍的なものだった。あとはこの映画は演出も素晴らしかった。ヌーヴェル・ヴァーグ以降の作家たちから脈々と連なる芳醇さを堪能出来た。大胆な時間の省略や説明の省略、音に対する敏感さやカットのディテールには映画の感動が詰まっていた。そしてやはりパリのロケーション撮影は感動的だった。60年代からほとんど変わらない通りが中心街にたくさんあるなんてちょっと信じられない。学校の建造も凄まじかった。あとはやっぱりレア・セドゥはすごかった。対するルイ・ガレルはちょっと品質的に落ちるかなと思ったけれど、多分レア・セドゥが凄すぎたんだと思う。100点。