私が、生きる肌

ペドロ・アルモドバル、2011。前半はメチャクチャ面白くて、後半は展開がバレバレ。タイツ美女のところにタイガーがやってきて、そいつを殺すバンデラス。とてもシュール。でもそいつは兄弟で、使用人の女は実は母だった。ここまで凄まじい展開を見せる映画もここからはありきたりなストーリーになってしまう。演出力なんかはさすがだし、性の倒錯を描かせればお手のものアルモドバル。そして後半のバンデラスのショータイム。あれで女に裏切られないと思うバンデラスの精神構造の弱さ。それは妻に先立たれて立ち直れず、娘に死なれて立ち直れない徹底した脆弱性からくるもの。または盲目的愛みたいなものだと思う。そういうのを狂気の愛とか言うんだなきっと。それでクローンを愛して、愛するのは分かるんだけど信用してしまう。この映画のバンデラスは映画の観客とははまるで別の次元にいて別の方向性を持って動いている。ここで問題なのはそれが分かりやすすぎる点。バイク少年とっ捕まえてから、映画はすべてが予定調和的に動いてしまう。それが残念だった。95点。