愛しきソナ

ヤン・ヨンヒ、2009。最初は前作『ディア・ピョンヤン』のスピンオフなのかと思った。前回はアボジ主演で今回はソナ主演みたいな感じだと思った。でも随分と色合いが違った。『ディア・ピョンヤン』では控えめだった感情的な部分や感傷的な部分がより描かれている。北朝鮮に対しては前作よりかなり好戦的。そして前作では死を扱っていなかったけど、今回はいくつかの死に直面する。完成度では前作に劣ると思うし、前作ありきの映画なのかも知れない。でもこの映画の荒々しいまでの感情的佇まいは、前作の続編というよりは、前作への回答というかある意味アンチテーゼでもあると思う。『ディア・ピョンヤン』という捻った題名から『愛しきソナ』という直情的な題名への変化。これはいろんな死の果てに見える未来への希望としてのソナだったり、前作が原因で北朝鮮への入国禁止処分になり会えなくなったソナだったりする。編集素材の中からソナをフォーカス中で、映像としてつまらないものもある。でもそういったソナへの執着がこの映画を表していると思った。100点。