舟を編む

石井裕也、2013。この映画はひとつの「世界」に関する物語だと思う。例えば実体験で言うとプログラム言語にどっぷり浸かりながらコーディングをする感覚。プログラムの「世界」は大海のような広さや深さを持っている。もちろん建築物の設計も同じ。例えば映画を見ることでもいい。映画の「世界」は我々を大海へと誘い、我々はその「世界」にどっぷりと浸かる。この映画はその「世界」を本当に魅力的に描いていたと思う。特に辞書作成の初期メンバーのキャラクターの充実っぷりは素晴らしく、オダギリジョーには抱かれてもいいと本気で思った。ただ映画が面白かったのは途中まで。途中でオダギリジョーいなくなるし、宮崎あおいは明らかにちょっとおかしかったし、脚本上不可欠ですらないと感じた。宮崎あおいに関しては書き足りないから書かない。終盤のワーカホリック達が集まる暑苦しい職場には魅力を感じなかった。辞書の完成より発行人のジジイの往生に物語がシフトしていくのは不自然だったし、ジジイの往生際も悪かった。なんだよあのくだらない手紙。ただ本当に感動的に面白かった部分が多々あっただけに残念無念な映画だった。95点。