菖蒲

アンジェイ・ワイダ、2009。ワイダが女優クリスティナ・ヤンダを使って作家ヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチの同名短編を映画化するんだけど、ヤンダの旦那でワイダの盟友でもある撮影監督エドヴァルト・クウォシンスキは当時闘病中。そして彼の死をきっかけに、この映画は当初とは違う形で完成した。ヤンダの独白ドキュメントと、普通のドラマの部分は分かりやすい。あとはメイキング的なのもあった。でも驚いたのはヤンダが撮影現場から逃げちゃうんだなあ。そんな複雑な構造を持った映画でテーマが死ともなれば重々くなりそうなところ、そこはさすがワイダの手練で見事な作品に仕上がっている。死がテーマだけど生き生きとした自然が素晴らしく、最初の方の川の畔の社交場のシーンで一気に釘付けになった。それにしてもワイダ演出というかポーランド派というかウッチ映画大学系統ってのは本当に凄い。当たり前のように野心的で素敵だなあ。いまだに題名が読めない。100点。