みなさん、さようなら

ドゥニ・アルカン、2003。少し風変わりな死を見つめるヒューマン映画。どうも映画の奇跡を作れないのか知らないのか、そういう監督が、やはりそういうような脚本を書いて撮っている。カメラも出来が悪くて状況説明や台詞を撮影をしているだけといった印象。出てくる演者は老いぼればかりだし、この映画で何を見ればいいのか、何を聞けばいいのか分からなかった。この映画の脚本は、ある物事を何かの象徴として描きすぎているし、過去やカネにとらわれすぎてしまっている。思想も過去もカネもそれ自体動的ではない。それを動的に出来なかったことで、この映画は具体的なアクションがなくなってしまい、色んな意味で動きのない映画になってしまった。ただヘロイン中毒のマリ=ジョゼ・クローズは素晴らしかった。彼女の視線を見られただけでも良しとするしかない。ラストのキスシーンみたいなああいう動きをもっと見たかった。あれは彼女の動きであり映画の動きでありそれはとても奇跡的なことだと思うんだけどなあ。90点。