別離

アスガー・ファルハディ、2011。宗教や介護や貧富の差や離婚や子供や犯罪がごった煮になった家族のドラマ。ごった煮の割には脚本はとてもスマートに出来ている。ワンカットで離婚の状況説明してしまう冒頭も見事だった。ただそこからがキツかった。カット割りまくりながら手持ちカメラでガンガン飛ばされて中盤までは急ぎすぎだと思った。中盤以降は落ち着きを見せたのか、自分が慣れたのか分からないけれど、映像を見ること自体苦痛ではなくなった。ただその頃になると誰がどんな嘘をついていようが犯罪の件がどうなろうが家族が今後どうなろうが別にどうでも良くなってきた。この映画は話の展開を楽しむ映画ではなかった。秘密や嘘や事実が浮き彫りになるその現実世界がいかに人間的であるか。正解もないし真実は藪の中だし誰の顔にも裏がある。そして家族や宗教といった結び付きにヒビが入る。そんな人間たちの奏でる不協和音をこの映画は見事に描いていると思う。しかしロケーション撮影があまりにも少なすぎたなあ。95点。