クロニクル

ジョシュ・トランク、2012。ファウンド・フッテージ・フィルム。この映画はジャンルものとしての完成度が低い。まず超能力でカメラが自由自在に移動し、主観ショットから抜け出てしまう。それによって都合よくカメラワーク出来てしまうから、主観ショットのみによる絶対的な閉塞感や緊迫感が描けなくなってしまっている。あとはドキュメンタリー的なカメラの見せ場がない。『クローバー・フィールド』に見られた逃げ惑う人々の群れ。生き物が記録されてしまっているという感覚がこの映画にはない。カメラを介して人間が人間を撮るというファウンド・フッテージの魅力がこの映画には足りない。トリック映像にリアリティを持たせたいがためだけのファウンド・フッテージという感じがした。主人公のくすぶった人物描写は定型文のような凡庸さがあったし、その背景となる家庭環境も学園ライフもこれまた凡庸。その人物描写のまま最後のショボくれた低予算バトルへと至る展開には辟易した。主人公にも映画にも辟易した。とても窮屈な映画だった。85点。