バーニー/みんなが愛した殺人者

リチャード・リンクレイター、2011。アメリカで毎晩見られるようなドキュメンタリー番組のスタイルを模した劇映画。インタビューが入り乱れる構成にうんざりした。ジャック・ブラックは器用だけど一本調子で、おもしろみがなかった。ジャック・ブラックの役を、もし藤井隆がやっていたらすごい映画になったと思う。それは『復讐するは我にあり』を、緒形拳ではなく、当初今村昌平が目論んでいた渥美清がやっていたらと想像するのに近い。しかし、たとえ主役を藤井隆に交代したとしても、この映画はドラマ部分があまりにも少なすぎる。そして、ただでさえ少ないドラマ部分がすごく適当というか凡庸に描かれている。作品全体を覆う陰鬱なムードもとても奇妙だった。実話に基づく物語という前提に縛られて、身動きがとれない感じが見て取れてしまい、とても不自由な映画という印象が残った。こういうパターンに陥る映画って結構多いような気がする。85点。