プロヴァンス物語/マルセルの夏

イヴ・ロベール、1990。前半はマルセルが10歳くらいになるまでを描いていて、後半はプロヴァンスでのバカンスを描いている。特に前半が素晴らしく、映像演出に魅了された。オールドスクールな佇まいが美しい映画。ベタで古典的な演出と、フランスらしい野心的な演出が同居していて、前半は見ていて驚いてしまうくらいに圧倒された。後半のバカンスは少しダレたけど、良い意味でノスタルジックな映画で、事件が起こったり色恋沙汰があったりしないところが良かった。家族の関係もまた理想的な家族という感じで、問題が起こることはない。特に後半は、映画を展開させる出来事がほとんどないなかで、展開を楽しむというよりは、一緒にバカンスに来ているような気分にさせるような温かみのある映画だった。全編に渡って南仏の陽光がまぶしかった。この映画は多分原作ものだと思うんだけど、それを思いっきり感じさせてしまう脚本の詰めの甘さは残念だった。邦題も残念だった。95点。