サンセット大通り

ビリー・ワイルダー、1950。こんなに気味の悪い映画だったとは。ジャンルで言えばホラー映画。あのラストシーンを劇場で見たら怖くて泣いてしまうと思う。ただこの映画って、映画好きがあの役は本当に元監督なんだとか、あれは本物の監督で、あの撮影現場は◯◯っていう映画の撮影シーンでとか、そういうのが多すぎる。今これを見て往年のハリウッド人たちに気づく人はただの映画バカだと思う。つまり公開当時これを見ることと、現在これを見ることは大きく異なる。それでもこの映画が現在でも通用するのは、メタフィクションとしてハリウッドを描写する切り口の面白さ。惚れ惚れするようなノスタルジックな描写もあれば、サイレントからトーキーへ、スターから元スターへという、時の流れの残酷さを冷徹に描写する。で、この映画の素晴らしいところは、その古き良きハリウッドを、現在進行形のハリウッドに見事に落とし込んでいるところだと思う。だからグロリア・スワンソンは本当にサイレント期の大スターだったんだよとか、そういう注釈がなくても十分に楽しめる。自己愛性パーソナリティに溺れまくるグロリア・スワンソンは痛々しくとも美しかった。100点。