ホーリー・モーターズ

レオス・カラックス、2012。13年ぶりに釈放された映画の囚人カラックスの、カラックスらしい作品。カラックスって脚本があまりうまく書けないのか、うまく書くことに興味がないのか、話がスムーズに流れてくれない。だからちょっと見るのが大変。ポンヌフではスムーズに流れたと思ったら、今度は話がつまらなくなった。この映画は何これわかんないっていう感想を持つ人も多い映画だと思う。僕は常にそちら側にいたいと思う。映画素人にはちょっと退屈な時間が長かった。映画狂いや評論好きには持ってこいの映画だと思った。この映画はカラックスお得意の奇跡的な一発芸が、いつものカラックスほど派手ではなかったし若々しくもなかった。エヴァ・メンデスのシーンと、カイリー・ミノーグのシーンは素晴らしく、特にカイリー・ミノーグのシーンはこの映画のハイライトだった。かわいらしい質素な歌も素敵だった。ドニ・ラヴァンは相変わらずキュートな身のこなしをしていて、その身体の躍動は素晴らしかった。最初っからそうだったけれど、ドニ・ラヴァンはカラックスの分身を超えて、チャップリンみたいになっていて、その存在は映画そのものだった。カラックスがサイレントを獲得する上で不可欠な存在だと改めて思った。95点。