共喰い

青山真治、2013。真面目だなあ。メタファーが安易だなあ。荒井晴彦どうしちゃったんだろうと思ったけれど、光石研が死んでからは良かった。光石研が死ぬのは90分くらいだと思うから、ほとんどの時間、クソ真面目な映画にクソ真面目に付き合わされた。もったいないのは田中裕子の職場。背景に風景がないカットが多すぎる。明らかに川じゃないんだろうなというカット。いろんなシーンで登場したあのカットは浮いていた。演者としては、光石研の愛人、篠原友希子が健闘。あのメタファーづくしは荒井晴彦がやっているんだろうけれど、安易にやりすぎていてしかも真面目だから笑えないしでちょっとげんなりした。あとは息子が父親と同じだとか同じ目をしているとか、特に目についての語りがくどい。周りがどんどん父親と同じだという洗脳をしていくのが、脚本的には腹立たしかった。しかし現実問題として、先天性の遺伝と同様に、お前はあいつの息子だという周りの決めつけは、その息子の人格形成に大きな影響を及ぼすし、息子はそれによって自分もあの男のようになってしまうのかと考える。そういうのはこの映画で描かれる性暴力に限らず、問題のある親を持つ子どもが当然のごとく抱える問題であり、それによって遺伝しようがしまいがそこには苦悩がありドラマがある。普遍的な題材をドラマとして昇華させていると思った。90点。