江ノ島プリズム

吉田康弘、2013。昨日『愛のむきだし』を見て今日これじゃあさすがにキツい。お遊戯会を見ているような作劇だった。テレビのドラマスペシャルといった感じの趣で、全編を貫く趣味の悪い音楽にげんなりした。脚本はとてもありふれているけれど、飽きさせない工夫が感じられた。いろんな解釈ができるから、カップルで見るにはいいんじゃないかなあと思った。幼なじみ3人それぞれの立場から崩壊や喪失が見えるのが面白い。本田翼は消える。野村周平は死ぬ。福士蒼汰は自分を葬る。この絶望的な3人のなかで謎なのは、消えた本田翼は2年間何をやってたんだというところ。どうも過去を捨てたとしか考えられない。死んだ男と過去を捨てた女。それにとらわれる福士蒼汰。設定からして哀れな福士蒼汰は、コミカルに描かれつつも、徹底的に哀れなまま結果タイムトラベル自殺を図る。救いのない映画のなかで未来穂香の存在感は際立っていた。青春映画とSF映画の橋渡し役を見事にこなしていた。音楽がひどかったから音量を下げたら台詞が聞き取りづらくなってしまったのが残念だった。90点。