ある愛へと続く旅

セルジオ・カステリット、2012。ボスニア紛争が大きな要素になっているけど、近場の紛争なら何でもいいという感じの扱い。もう一つの大きな要素である子作り奮闘記は、重要なんだけど興味がわかない。ある愛にまつわる女性の映画という印象。でもこの映画が素晴らしいのは、ペネロペ・クルスがたっぷり見られるところ。それも女学生クルスからおばさんクルスまで幅が広い。ペネロペ・クルスはいま最高に美味しそうだと思わせるのに十分な映画だった。現役最高クラスの女優だと証明できる映画。この映画は脚本を進行させる手際はいいんだけど、尺も長いしヨーロッパの大陸的なおおらかさがある。そんななかに、腰の座ったペネロペ・クルスがでんと構えていて画としてはかなり引き締まる。それでいて表面的には強い女でもないし、弱い女でもない。危機的状況にさらされるわけでもない。普通の人間としてそこにいる。ボスニア紛争中に子作り奮闘中という、わけにわからない脚本に翻弄されることもなく、いい演技をしていた。細かいカット割りで、カットが変わるごとに変わる表情とかはすごく素敵だった。映画としては中の下くらいの印象だった。でもペネロペ・クルスが良すぎた。95点。