一条さゆり 濡れた欲情

神代辰巳、1972。何度か見ているのだけど、今回の印象としては、伊佐山ひろ子がムチャクチャかっこよかった。ファッション、着こなし、身のこなし、素晴らしかった。特にロケーションで傘持って男連れて、もうあの世界、空間、時間にいたいと本気で思わせるものがある。ロマンポルノの安い作りは良くも悪くもこの映画を支配している。オールアフレコかつアフレコがテキトー。音作りなんてないも同然。アフレコの上手いおっさんはいた。しかし映像に関して言えば、得意の長回しや編集の妙は低予算がもたらした産物と言える。映像のまとめかた、撮影編集のスタイリッシュさは、このときからすでにすさまじい。この映画、以前流行したドキュメンタリーとフィクションのあいだ映画の文脈で見ると、かなり無頓着で面白い。ただストリップ小屋のシーンで顔にモザイクが入っていたり、明らかに撮影のためのストリップがあったりと、これも予算の都合なのか知らないけど興味深かった。愛知県津島市の伊六万歳「なかなかづくし」が超効果的に使われていて、多分出演もしている小沢昭一が一枚噛んでいるんじゃないかと思けど、映画音楽以上の存在だった。95点。