恍惚の人

豊田四郎、1973。この古めかしいメンツで、モノクロで始まるものだから、古典的な作風を想像した。そしたら初っ端からカメラが手持ちでガンガン攻める。それで撮られた時期を知る。この映画、僕は森繁久彌の喜劇性が映画に合っていなくて、それで映画は壊れたと思ったけど、森繁久彌と高峰秀子とカメラ岡崎宏三の自主映画といった趣はとてもよかった。あとは誰かに何かを象徴させないところがいい。なんだかんだあってもいいヤツらだから映画の流れが滞ることがなかった。カメラがやり過ぎのところもあったけど、この映画でカメラがやり過ぎなかったら、ただの凡作になっていたと思う。高峰秀子って日本映画史に残る大女優だけど、あくびの演技が下手くそだった。90点。