ニューヨークの巴里夫(パリジャン)

セドリック・クラピッシュ、2013。青春三部作ラスト、ここにきて奇跡の邦題。前作でテキトーだった部分が修正されてしっかりした感じの作品になっていた。映画の作り方に関しては、ありきたりだけどうまいなあと何度も思った。リミックス的な手法はその典型。時間軸や時間をリミックスするけどそれがうまい。もちろん音楽も同じ曲を使ったり、リミックス系の音楽だったりする。この映画、このシリーズは、最後まで愛についての優しい眼差しを忘れない。結婚して子どもがいても、愛が優先の人ばかり。愛情萬歳という感じ。映画によく横断歩道の中間にある安全地帯がでてくるけど、このシリーズはA地点からB地点に話が進むものではなく、やはりモラトリアムというのか、中間地点にずっといる。あとこの映画の面白さはヒロインがいないこと。ヒロインがいたら、ロマン・デュリスとヒロイン、うまくいかねえなあ、いくのかなあ、という、ビフォアシリーズよろしく、ありきたりな男女関係の掘り下げ連作になるんだけど、ヒロインがいないから男女関係をえぐることはない。ヒロインの役割は主に二人が担っているけど存在感は相当薄い。この映画もオドレイ・トトゥがヒロイン役として最後ハッピーエンドになる。しかしこの先を想像してみると、見た人ほとんどがハッピーな二人の生活が続くなんて想像しないわけで、そのあたりがこの映画の魅力だと思った。95点。