マダムと泥棒

アレクサンダー・マッケンドリック、1955。コーエン兄弟のリメイクより面白かった。リメイクはコーエン兄弟にしては珍しく駄作だったと記憶しているが、オリジナルは傑作だった。ズタボロのコメディというか、これは英国らしいと思うのだが、すべり台をすべる、あるいはジェットコースターな感じじゃなく、階段をドカドカ転がり落ちる感じがたまらなかった。全員死ぬのだって巧妙な脚本というより、殺しとけ殺しとけという感じが漂っていて、丹念に練り込まれたコメディとは一線を画すものがあった。クラシック音楽があまり効果的に使われていないところが効果的だった。カネを盗むシーンも良かったし、そこからそれぞれのキャラクターが浮き彫りになってくる展開は見事だった。アレック・ギネスがとても良かった。95点。