アメリカン・スナイパー

クリント・イーストウッド、2014。何が言いたいんだかよくわからない映画。アメリカを浮き彫りにするイーストウッドというのは、言いたいことありげな、『グラン・トリノ』くらいまでという印象がある。『インビクタス』になると語り部というよりはテクニシャンになっていて、この映画も当然テクニシャンの系譜に入る。それも覆面マジシャンのように、表情がうかがい知れないテクニシャン。その実体参照しようとするとピントがボケてしまうような曖昧な感覚こそ現代アメリカであり、実は戦争もそういうものなのである、なんてこじつけ絶賛する気は毛頭ない。技巧派監督が撮った、華のない映画だったというアレレな印象。テクニシャン故、何かを褒めたりけなしたり説教したり泣かしたりしないのは見ていて安心できる。でもその程度の良識は多くの映画人が持っているしなあ、と考えると、何が言いたいんだかよくわからない映画だった。95点。