リップヴァンウィンクルの花嫁

岩井俊二、2016。岩井俊二的映像美学が炸裂した傑作。弧を描く撮影や、光を駆使した撮影など、言い出したらキリがないが、そういうものより、現場で思いついたもの、例えば、ちょっと顔に手を当ててみて、とかそいういった瞬時の美的感覚はワンアンドオンリーなのかなと思った。そして、映画はこの世の白黒善悪二元論を痛快なまでに混濁させている。そういう意味ではこの時代ならではの作品と言える。結婚するはずだった家族はグレー。黒木華もグレー。Coccoもグレー、最後にりりィですら美しきグレーにしてしまう。綾野剛の黒木華への奇妙に見える肩入れっぷりは、多分惚れてたんでしょうとしか言いようがなく、ならば綾野剛はピュアグレーだと思った。100点。