ダゲレオタイプの女

黒沢清、2016。画面構成は素晴らしく、気品のある作劇も良好。撮影法のダゲレオタイプは、生と死、虚構と現実、写真と映画を結びつけるには絶妙な道具であり、黒沢清はその道具を絶妙に使いこなしたと思う。そして生と死について映画は饒舌に語り出す。死者は優雅に生き、生者は粗野に生きる。もちろん映画における生と死なんて虚構であるから生と死は交錯する。とても興味深い作品ではあったが、後半はダレた部分がかなりあったし、全体的にちょっと間延びしていて、この時間は劇場じゃなきゃダメだなと感じた部分はあった。感銘を受けたシーンも、吹聴したくなるほど感銘を受けたわけではなかった。特に画面構成なんかは素晴らしいのだが、その素晴らしさは良い映画では度々見られるものであり、少しステレオタイプな印象もあった。95点。