ミス・ポター

クリス・ヌーナン、2006。「ピーターラビット」の作者ビアトリクス・ポターの伝記映画。史実の再現にこだわらない自由さは見ているだけでもわかった。展開が非常に早く、上映時間も短い。かなり大胆に時間を省略していてスピード感がある。早歩きの足と足音も印象に残っている。湖水地方に場所を移しても、早い展開が維持されていたのは、やや急ぎすぎかなという印象があった。湖水地方でロンドンとの対比が見られると思ったのだが、そうはならなかった。ユアン・マクレガーは早い展開のなかでも大きな展開に貢献しまくっている。その割には人物としてあまり描かれずに終わる。その分、妹役のエミリー・ワトソンはよく描かれていて、レニー・ゼルウィガーの唯一の友人として、存在感は際立っていた。で、当のミス・ポター、レニー・ゼルウィガーはとてもチャーミングだった。絵や自然に対するピュアな愛情が、田舎臭いかわいらしさにあらわれており、それによって独身女性の自立という、フェミニズム的側面がやわらかいものになっていた。特別な印象を残す映画ではないのだが、とても心温まる映画であり、技術のほどは分からないが、レニー・ゼルウィガーの英国イングリッシュもとても温かみがあった。90点。