マジック・イン・ムーンライト

ウディ・アレン、2014。ウディ・アレンの映画にしては、あまりおもしろくなかった。コリン・ファース演じる偏屈なマジシャンは素晴らしかった。彼がいびつながらマトモに変化していくさまを見るのはワクワクするものがあった。なぜならエマ・ストーンの相手としてどうなのかという観点があったからだ。しかし奇妙なタネが明かされ、物語は方向性を見失ってしまう。それ以降、外殻化したエマ・ストーンは、美人という特徴づけが過度に強調されることになるが、言葉による強調ばかりで、実写による強調が不足している。コリン・ファースのおばさん、アイリーン・アトキンスの重要度が増したあたりから、物語についていけなくなった。タネ明かしもおばさんの事故がきっかけだった。おばさんとコリン・ファースの、長いワンショットシーケンスによって、コリン・ファースはエマ・ストーンへの告白を決断するのだが、そのやり取りに説得力はなく、強引さを感じさせるものだった。コリン・ファースの告白は、仕組まれたように失敗に終わる。そしてまたまた、おばさんの登場である。マジカルなハッピーエンドが仕組まれるのだ。ハッピーエンドそのものは素敵なものだった。死に取り憑かれ気味なウディ・アレンは最近よく見かける。しかし、これまでは落とし込んだ脚本がビューティフルだったのだが、今回はちがっていた。90点。