神聖なる一族24人の娘たち

アレクセイ・フェドルチェンコ、2012。フォークロア・ガールズ・ムービーといった趣のある、斬新にして豊かな映画。舞台はロシア連邦のマリ・エル共和国。100万都市であるカザンから車で約2時間の距離にある。物語は、24人の娘たちの性と聖に関するとても短いエピソードが、互いにつながることなくつむがれてゆく。興味深いのはアニミズム的なエピソードが、現代的かつ現実的に描かれているところだろう。短いエピソードは普通の現代映画のような佇まいがある。アニミズム的な出来事に対しても、自然や性を崇拝するような描写はしない。ただ自然や性を純粋に映画美学のもとで描いている。自然崇拝やアニミズムなどを題材にした映画の多くは、映画自体が崇拝のひとつの形になっている。映画の体裁が、自然崇拝映画やアニミズム映画になるのだ。この映画が特異なのは、アニミズムを映画として咀嚼し、ガールズ・ムービーの体裁にまで昇華させているところだ。エピソードはすべて性に関連している。しかし、この映画では男性はとかく象徴として描かれる。女性はその生き生きとした身体で生を謳歌する。女性の性が、自然崇拝と交わるアニミズムな描写は、かなりぶっ飛んでいる。風と女の股間をめぐる美しい映像が印象的だ。それを見てしまった男の結末は、ある宗教を暗示させる。少女の初潮宣言は、狭くて暗い空間から、広くて明るい空間へと、感動的ともいえる映画的な飛躍を遂げる。そのままラストへとつながる流れの美しさには見とれてしまうものがある。荒唐無稽なエピソードを交えながら、映画は人間や自然や世界に対してやさしく微笑みかけている。100点。