うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

押井守、1984。とても有名なアニメ映画。この映画は「2」になっているし、漫画もテレビアニメも見たことがない。映画では人物設定などはあまり語られないからよくわからない。それでもラムの登場シーンの美しさと、この映画の重要な台詞が語られる給湯室みたいなシーンのショットはただただ素晴らしい。映画は時間と空間と戯れる。そして無限ループするような世界が設定される。学園祭前日の繰り返しという極めて映画的な反復から、合わせ鏡のような無限の世界まで提示される。そして、飛行機で町の姿を見ることで、町の劇的な変化が時間軸とともに提示される。しかし、登場人物たちは荒廃した虚無的空間で戯れる。このパーマネントな感じの描写が美しい。そして今度は夢のモチーフへと切り替わる。そもそもすべては夢なのだが、夢のシーンに移るといったほうが正しいだろう。ここでラムの発言が反復され、虚無的空間での戯れなどの動機が解明される。夢はラムの夢なのだが、あたるが主人公となってラムを夢から覚めさせるために奮闘する。こう書いていても物語がかなり混乱してうまく説明できない。逆から説明すれば、夢を用いて時空間と大胆に戯れる映画である。同じ日が繰り返されるという、いわば日常みたいなものを、学園祭前日に設定することで生まれる描写によって、映画が示す虚構との戯れは、より一層強度を増している。空間を町に限定して誰もいない町が設定されるのも見事だ。実写映画的な演出も多く見られる。喫茶店と給湯室は前半の見せ場だろう。照明の演出の数々、ほのめかされるカメラの存在なども実写映画的だ。95点。