リオ・ブラボー

ハワード・ホークス、1959。冒頭の無言劇からはじまって状況が迅速に設定される。そこからは敵軍団と保安官軍団の、囚人を巡る争いが繰り広げられるのだが、争い自体は案外ゆるいというか、うだうだ感が満載なのだ。いつ命を狙われてもおかしくないというようなヒリヒリする緊張感はあまりない。敵のえげつなさもあまりない。しかしこの映画は2時間超の長尺なのだがダレることがまったくないのだ。気づけばもう2時間といった感じで見入ってしまう。まずホークスの演出は見逃せない。ゆるい時間もタイトに演出され、情感みたいなものに時間を割くことをしない。軽快にして適切なショットの構成については改めて指摘するまでもないだろう。そしてこの映画は保安官軍団の4人のキャラクターが実に見事におもしろく描かれている。ジョン・ウェインはロープに引っかかって豪快に転んだりと動きも多く、悠然と構えすぎることがないどころか茶目っ気すらある。ウォルター・ブレナンは描きやすいキャラクターなのだが、本当に見事なタイミングで炸裂している。ディーン・マーティンは感傷的な部分を一手に担いつつ抑制の効いた演技で魅了し、リッキー・ネルソンの利口な感じもよく演出されている。そしてこの4人はそれぞれに魅力的なのだが集まるとさらに魅力的になるのだ。最後は4人そろって戦うのだが、ダイナマイトもド派手にぶっ放してくれるから気分爽快だ。ジョン・ウェインの3人に対する姿勢の素晴らしさ。上司と部下ではなく仲間として接する器量。この映画は仲間たちの映画として巧みに描かれているからこそ見ごたえのある痛快西部劇になっている。100点。