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ローワン・ジョフィ、2014。この映画のニコール・キッドマンは一晩寝ると記憶がなくなる。覚えていないわけだから、毎日同じことを反復する。偏屈な監督であれば同じショットを嫌がらせのように反復させることで映画を形作ってゆくだろう。しかしローワン・ジョフィは反復を意識させながらも差異によって反復の執拗さを緩和している。この映画は反復の映画といってもいい。映画は一日のはじまりを提示してから二週間前にフラッシュバックする。そしてふたたび冒頭の一日が反復される。そしてその一日は、ニコール・キッドマンが記憶障害となった日と類似した反復を見せる。それはコリン・ファースが反復を停止したいがために反復するのだ。しかし結局ニコール・キッドマンは結婚生活を反復させることになる。そのようにして様々な出来事や映像が類似した反復を見せながら進行する。ただ物語としては面白味に欠ける。前半は怪しい人間がふたり登場し、どちらが怪しいのか比較検討するだけの映画になっている。つまり怪しさを演出しすぎているのだ。後半は事実が明らかになってゆくのだが説明がうまいとは言えない。最後のご本人登場における旦那は明らかに浮いてしまっており、ここでの沈黙が次の息子との対面における会話を強調する役割をになっているのだが、その演出は失敗に終わっている。いろんな意味で謎の多い映画なのだが、最大の謎はニコール・キッドマンとコリン・ファースというスターの共演だろう。そして興行収入が製作費を下回ったことは謎が解けたかのように合点がいった。90点。