コングレス未来学会議

アリ・フォルマン、2013。ほとんど実写はなくアニメ映画といってもいいだろう。そして、アニメを見る習慣がない者を引きつけるだけの魅力のある映画ではなかった。映画会社が役者をスキャンしCGにする時代がやってきて、映画会社は次なる一手として新興宗教よろしくドラッグを売り出そうとする。ヒーロー、ヒロインに自分がなれるんだという具合に。このようなストーリーとロビン・ライトの母子のストーリーとが並行しながら物語は展開してゆく。まず実写からアニメーション=ドラッグに変わってからの物語の見どころがよくわからなかった。アニメを好んで見ないせいもあるのだが、物語的にもちょっと見方がわからなくなってしまった。かなり宗教くさいところがあってげんなりしたというのもある。宗教の勧誘ビデオを見させられているような印象を受けた。この映画はアニメーション=ドラッグが夢だったり幻覚だったり、ほとんど不可逆的な世界そのものであったりと、すごく重要な役割を負っている。ユートピアでもディストピアでもない、アシッドやキノコ系のドラッギーな世界は現実との対照として描かれているのだが、それは見た目の対照だけであり実際には類似する世界のように見える。表裏一体コインの裏表といったところだ。つまるところこれはハリウッドや商業主義や科学の進歩やそれに伴う安全で強力なドラッグの蔓延への警笛や皮肉を込めつつも美的に魅せる映画なのだと思う。しかし物語は中途半端だし描写は宗教くさいし、マックス・リヒターの音楽もこのアニメーションに乗っかると宗教音楽のようにしか聞こえなかった。よくわからない映画だった。85点。