アメリカン・ドリーマー 理想の代償

J・C・チャンダー、2014。渋い映画。良い意味でも悪い意味でも渋すぎる。映像はやたらと色を抑えたシックな感じになっており、照明も自然光以外使わないぞっていうくらいに暗い。色が特徴的で、映画を通して常にフィルターがかかっている感じはあまり好きではない。1981年ニューヨーク、男と女、ギャングと政府、オイルビジネスを巡る思惑、宣伝文にはそう書いてあるのだが、そのどれもが中途半端に描かれている。脚本に問題があるのは明らかだろう。描きたいことが多くあるがゆえに、焦点がぼけてしまっている。しかしそれを補って余りあるキャストがいればなんとかなったりする。しかしキャスティングも映画と同様に渋すぎて微妙な印象だ。オスカー・アイザックは数本しか見ていないのだが、大根役者にしか見えないのだ。とりあえずこの映画においては映画の悪い意味での渋さに埋没してしまっている。物語はアイザック社長とドライバーのクロスカッティングではじまる。そのふたりを並行して描きながら対照させている。ふたりの関係性だけでもしっかり描けていれば物語として最低限納得できるものになっていただろう。しかしここも先にあげた脚本に問題の犠牲になっている。この映画のよいところは緊張感が維持されるところだろう。ド派手な抗争などはないのだが、映画を通じてギリギリな感じが漂いつづけており、それが心地よい緊張感を生み出している。90点。