イット・フォローズ

デヴィッド・ロバート・ミッチェル、2014。性や生と死が様々なモチーフによって語られているのだが、テーマが重いだけに、それに耐えるだけの力を持っているとは思えない。それでもこの映画は状況を整理しまくって見通しのいい視界を提供してくれる。大胆なカメラワークが多いのだが、それらが反復されることで映画に落ち着きをもたらしている。スーパークローズアップ、主観ショット、状況を提示するロングショット、回転するショット、真上からのショットなどが、非常に効果的に使われている。学校を排除し、警察を排除し、親を排除することで、ハイティーン映画独特の佇まいを獲得しているのも興味深い。ハイティーン映画といえば車なのだが、この映画では車は超必需品となっている。水はあらゆるところで使われるモチーフなのだが、合点がいかない部分もあった。終盤のプールのシーンももったいない感じはするのだが、『キャット・ピープル』を模しているのがミエミエでおもしろい。映画全体としてはホラー映画やサスペンス映画というよりも、ハイティーン青春映画という印象だ。セックスが死をもたらすという過酷な青春映画。確かに青春においてセックスは大きな比重を占めており、死んでもいいから付き合いたい、死んでもいいからセックスしたいと思うのは自然な流れだ。それがこの映画では本当に死ぬんだから恐ろしい。プールのシーンの過剰な血のインパクトはすさまじかった。それがあったからラストもよくなった。ミニマルな映画にしたのは大正解だと思うし、設定もとてもユニークでおもしろかった。95点。