バクマン。

大根仁、2015。漫画にかける高校生コンビを描いた熱血青春映画。その熱血=労働と過労を描くことにかけては並々ならぬ情熱が捧げられており、フラッシュバックで登場する叔父の宮藤官九郎と、とても高校生には見えない佐藤健は、並行して描かれながら類似していくことになる。佐藤健の相方の神木隆之介はキャラクターとしてよくわからない部分はあった。体育館でのショットが連発されるシーンくらいしか見せ場がなかった。佐藤健とヒロインの小松菜奈の関係性は、ほのかな恋ごころのようなものがあるだけで恋愛に重きは置かれていない。しかし重要な会話シーンである序盤の学校と終盤の病院は見事に演出されていた。学校のシーンではぎこちないカメラポジションによるショットの切り返しがぎこちない雰囲気を強調していたし、病院のシーンではしっかりとカットバックをするのだがカーテンがひたすら揺れている。このカーテンもまた、ふたりの関係性や状況を描くうえで重要なモチーフになっていた。悪人が出てこない映画なのだが、そんななか染谷将太の存在感は素晴らしかった。突然の仲間の団結は染谷将太の存在抜きにはありえなかったし、無敵っぷりを最後まで一貫して崩さないし、天才という設定も漫画チックなキャラクターに陥ることがなかった。全体的にとてもポップな作品で、カメラは動きっぱなしだし、音楽はよく流れるし、CGも多用している。それらのポップな要素は映画を加速していくうえで有効に機能していたのだが、それは外ヅラのようなもので、肝心の中身はといえば、少し物足りなさを感じた。90点。