リンダ リンダ リンダ

山下敦弘、2005。学園部活青春モノは数あれど、この映画ほどジャンルの定型に寄り添いながらもはぐらかし続ける映画はあまりない。この映画は学園祭の3日前から当日までの4人のバンド女子を追った青春映画だ。もちろん恋愛だって登場する。しかし、恋愛の扱いを見てもわかるように、3日間のあいだに起こるトラブルやアクシデントが、ことさらフィーチャーされることはない。ただ時間が流れ、バンド演奏の上達や焦燥感などには、あまり関心を示さない。それよりは、バンドの4人の青春というべきもの、あるいは構築される人間関係に焦点は当たっている。一般的な青春学園モノとはちがい、時間の流れそのものが、人間関係に微妙で些細な変化をもたらす。それが青春なんだとこの映画は語っているように見える。若者らしく、学園祭らしく、ほぼ徹夜で時間は経過するのだが、後半は眠気もあって白昼夢状態なる。ペ・ドゥナの夜の体育館、日本語と韓国語の会話、右手のプレゼントなどなど。終盤のあっさりとした学園到着に見られるように、白昼夢になってからは移動シーンが削られている。ここも時間の扱いとしては注目すべきだろう。冒頭のビデオカメラの秀逸な演出から、前田亜季のドリーで学園祭を見せる手際のよさ。タイトルやプールやペンキなどで見られるブルー、そして部室へと燦々と降り注ぐ陽光が印象的だった。十数年ぶりに見たのだが、あせてしまう部分の少ない映画だった。100点。