サスペリア

ダリオ・アルジェント、1977。ドイツのバレエ名門校に入学したアメリカ娘ジェシカ・ハーパーを襲う恐怖を描いたホラー映画。冒頭の空港到着の演出はキレがあって素晴らしい。ありえない赤色の使い方、カットで音も一緒にカットして切り返したり、突然ディテール描写をしたり、扉の外の嵐も効果的だ。そしてバレエ学校に到着したあとの最初の殺人へといたるくだり。それを見るジェシカ・ハーパー。これが序盤で、その後は中だるみがあるとはいえ、アルジェントに中だるみはつきもののような気もする。あとホラーなのに牧歌的なところとか。そんな中カメラはおもしろいことをやっている。ヒッチコック的な最大から最小へのショットの切り替えや、ありえないカメラポジションやアングルショットが数多く見られる。そしてなんといってもこの映画は照明と音の映画といえるだろう。照明は光源なんてお構いなしに赤や緑で画面に映るものを照らしまくる。そして音は盲目のピアニストが象徴するように見えないものとして効果的に使われている。校長のいびきのくだりあたりから、現実の音と効果音の区別が曖昧になってくるのもおもしろい。終盤はジェシカ・ハーパーが部屋を横切るときの奇妙なパンや、それまで目立たなかった黄色の強調も効果的だった。カメラは基本的にはジェシカ・ハーパーに寄り添うのだが、例外的に殺される奴にはついていく、というのが微笑ましかった。95点。