新学期・操行ゼロ

ジャン・ヴィゴ、1933。寄宿舎の生徒たちの反乱を描いたジャン・ヴィゴの代表作。この映画はコメディタッチで描かれているのだが、反抗的な映画ということで劇場公開はわずか1日で終了。その後12年間公開禁止となった作品だ。そのあいだにネガが紛失してシーンが丸ごとなくなったりしている。この映画を見ると自分がいかに映画の文法にがんじがらめになっていたかを痛感する。現代の一般的な映画を見ていると、この映画のすごさはより鮮明にわかるのではないかと思う。まずサイレントの影響を色濃く残しているショットの強度に驚かされる。子どもたちを子ども目線ではなく上から撮り、ジャンプカットを含む唐突なショットがあり、ドリーの素晴らしさは驚嘆に値する。とにかくショットが素晴らしく、その構成がまた素晴らしいのだ。物語は悪い大人と無邪気な子どもという構図なのだが、コメディタッチなこともあり対立の構図は鮮明にはならない。そのかわりに鮮明となるのが子どもたちの反乱であり反乱のはじまりである。有名なスローモーションのシーン。枕の羽毛が舞うなか行進する子どもたち。宗教や大人という権威的なものから自由である子どもたちの無邪気な反乱はただただ美しい。それを捉えてしまうジャン・ヴィゴの映画作家としての偉大さ。この映画にはストーリーといえるものがあまりない。だからこそ映画のあるべき姿が浮き彫りになっており、その自由な姿は子どもたちの姿とリンクするのである。100点。