ストロベリーショートケイクス

矢崎仁司、2006。どこにでもいそうな痛んだ若い女性4人の物語。エンタテインメントとはかけ離れたそのスタイルは、痛んだ女性の共感を生むのかどうかはわからないのだが、少なくとも映画としての佇まいはものすごく勇敢なものであり、こんな映画を作れる人間や環境があるというのは素晴らしいことだと思った。辛抱強く遠くからそっと見守るような演出は、一見退屈しそうに見えるのだが、じわじわと効力を発揮する。4人の女性には誰ひとりとして共感することはなかったのだが、見守る目を通して彼女たちを見たとき、その目に共感を覚えるのだ。ここはアップが必要だろうとか、ここはもう少し短くできるなとか、そういったが意見を物ともしないような頑固さや、やさしさが映画全体に貫かれており、その勇敢な姿勢によって女性たちの存在が保証される。逆もまた真なりで、そういう女性たちがいるからこそ勇敢な姿勢で映画を撮ることができたのかもしれない。多用される女性たちの独り言に耳を傾け、多用どころか映画の軸ともいえるロングショットで遠回しに見つめながら、女性たちのこころに寄り添う。そして最後に映画は素晴らしいラストシーンを用意してくれる。台詞回しが下手くそだとか、説明的すぎるだとか、そういう部分はたしかに感じたのだが、映画の根本を揺るがすようなものではなかった。95点。